ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、米国オハイオ州において総額5,000億ドル(約80兆円)規模のAIデータセンター新設計画を正式に発表した。一企業による投資としては異例のスケールであり、次世代のAIインフラにおける主導権確保を狙う。
1. プロジェクトの概要と背景
本計画は、オハイオ州パイクトンにある旧ウラン濃縮工場の広大な跡地(約1,500ヘクタール)を活用する。孫氏が「単一のプロジェクトとしては人類史上最大」と称するこの施設は、爆発的に増加するAIの計算需要に応えるための「AIの心臓部」として機能する。
- 総投資額: 約5,000億ドル(約80兆円)
- 稼働予定: 2026年内の着工を目指す
- 目的: 人工超知能(ASI)の実現に向けた計算リソースの確保
2. 「自前発電」によるエネルギー問題の解決
データセンター運営の最大の懸念点である莫大な電力消費に対し、SBGは「自給自足」のモデルを提示している。敷地内に約330億ドルを投じ、9.2ギガワット(GW)級の巨大なガス火力発電所を併設する。
- 電力容量: 合計10GW級(原子力発電所約10基分に相当)
- メリット: 既存の地域電力網(グリッド)に負荷をかけないため、地域住民の電気代高騰を防ぎつつ、安定した電力供給を可能にする。
3. 日米21社による「ポーツマス・コンソーシアム」
本プロジェクトは、日米の有力企業が連携する「ポーツマス・コンソーシアム」を通じて推進される。
| カテゴリ | 参画・協力企業例 |
|---|---|
| 金融 | 日本の3大メガバンク、ゴールドマン・サックス |
| エネルギー・建設 | AEPオハイオ、GEベルノバ、ベクテル |
| テクノロジー | ソフトバンク、OpenAI(利用候補) |
4. まとめ:AIインフラの覇権争い
今回の巨額投資は、ソフトバンクグループが単なる投資会社から、AI時代の基盤を支える「インフラプロバイダー」へと変貌を遂げる象徴的な動きと言える。トランプ政権が進める国内インフラ投資促進の動きとも合致しており、政治・経済の両面から注目を集めている。

