東京都交通局は2025年6月10日より、AIを活用した新たな忘れ物検索サービス「find chat(ファインドチャット)」を導入しました。
これにより、都営地下鉄、都営バス、東京さくらトラム(都電荒川線)、日暮里・舎人ライナーの車内や駅構内で預かった忘れ物について、スマートフォンやパソコンから24時間いつでもチャット形式で問い合わせが可能になります。
このサービスは、スタートアップ企業・株式会社find(本社:東京都港区、代表取締役CEO:高島彬)が開発・提供する「落とし物クラウドfind」システムを基盤に運用されており、AIによる画像解析を特徴としています。
利用者がチャットで問い合わせをする際に、忘れ物の画像を添付すると、AIが自動で品目や色、形などの特徴を判別し、検索精度を高めてくれます。
オペレーター対応と多言語対応で安心サポート
チャットでの問い合わせは24時間受け付けていますが、実際の対応はオペレーターが9時から22時の間に行います。21時以降に受け付けた問い合わせは、翌日の9時以降に順次対応されます。
対応言語は日本語のほか、英語、中国語(簡体字)、韓国語にも対応しており、訪日外国人や外国人居住者にも利用しやすい設計です。
利用方法と受け取りの流れ
サービスの利用には、専用サイトからの認証登録が必要です。メールアドレスでの登録に加え、2025年7月からはLINEアカウントによる認証にも対応予定です。
アプリのインストールは不要で、登録後はWeb上の入力フォームから忘れ物の詳細を送信するだけで利用できます。
オペレーターが検索を行い、結果はチャットで返信されます。該当する忘れ物が見つからなかった場合でも、翌日に再検索して1回限りの追加回答が行われます。
見つかった忘れ物は、都営地下鉄の各駅や都営バス営業所などで、本人確認書類を提示の上で受け取ることができます。
駅職員の負担軽減と効率化にも寄与
このシステムは利用者にとっての利便性向上にとどまらず、駅やバス営業所の職員の業務効率化にも貢献します。
職員が拾得物の写真を撮影するだけで、AIが品名や色などの情報を自動で判別・入力するため、これまで手動で行っていた登録作業の手間が大幅に軽減される見込みです。
今回の導入により、東京都交通局はデジタル技術を活用した公共サービスの利便性向上をさらに推進し、誰もが利用しやすい都市交通の実現を目指しています。