グーグルにプライバシー侵害で約630億円の賠償命令、米連邦裁判所が評決

米IT大手グーグルが利用者の同意を得ずにデータを収集していたとして提起された集団訴訟で、米カリフォルニア州の連邦裁判所の陪審は9月3日、同社に対して約4億2,570万ドル(日本円で約630億円)の損害賠償を支払うよう命じる評決を下しました。
ロイター通信など複数の海外メディアが一斉に報じています。

この訴訟は2020年7月に米国の一部利用者が代表して起こしたもので、裁判所は「集団訴訟」と認定し、推定で約1億人の利用者が参加しているとされています。
原告側は、利用者が閲覧履歴や利用状況を「記録しない」設定にしていたにもかかわらず、グーグルが他社アプリに自社ソフトを組み込み、データを収集し続けていたと指摘しました。

一方のグーグルは、収集した情報は匿名化されており個人を特定できるものではなく、また他社アプリを通じたデータ収集については事前に利用者に説明していたと主張。
個人情報とのひも付けは行っていなかったとも反論しました。しかし陪審は、これらの説明や匿名化の主張は不十分であり、利用者のプライバシーを侵害したと判断しました。

なお、グーグルのプライバシー問題を巡る訴訟は今回が初めてではありません。
2022年には米テキサス州が「不当に住民データを収集した」として提訴し、2025年5月に13億7,500万ドル(約2,000億円)の和解金を支払ったばかりです。
今回の判決を受け、グーグルは控訴する方針を示しており、最終的な決着にはなお時間がかかる見通しです。

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